窓ガラス

綿あめ、遊具、犬の舌

ペルシャ猫

電車に乗り合わせた人間はひとり残らず狂人であった。わたしは驚いて胎児をつり革に固定し、隣席の人間に譲り渡した。助け合いは大切である。感動した第一車両はゆるやかに横転しその中身を大地へ還す。美しい光景である。わたしは狂人たちと笑い合い、互いに握手した。腸捻転のどよめきは世界各国を覆い、涙なしには強姦することが出来ない。素晴らしい感謝の念はわたしの胸中を駆けめぐり、わたしは一種の核爆発を起こした。灰燼に帰した国土で、肩を組み合う狂人の群れ。プラズマに変化したわたしは確信した、地球は癲狂院なのだ。それも、厳かで壮麗な、言表不能な慈愛に満ちた。

 

わたしは果てしなく凝縮しながら宇宙の破滅を夢むペルシャ猫に転生した。

そしてその翌年、わたしの飼い主である女児の慟哭により、宇宙は感動のフィナーレを迎え、あらゆる存在が白紙へと還るのである。

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