窓ガラス

綿あめ、遊具、犬の舌

リセットボタン

僕という虚構はあるく電柱をゆめの墓標と定義しながら 脳内のチップが冬を受信しているから寒いような気がする 死んだふりしながら僕はとうめいな殻にかくれて鬼さんこちら 叢雲のわかれて空はむきだしに 「はい」か「いいえ」で選ばせてくれ 唇はやがて乾い…

インターネットは死んだらしいよ

あふれだす、声。ぼくたちの自尊心ふいに歪んだ球体になる ハレルヤを聴くたび女児の増えてゆく陽射しに耳を赤らめながら 僕たちの記憶、敗北、ああすでにインターネットは死んだらしいよ 壊したらこわれてしまう人といて自殺は犬のように死ぬこと はじめか…

母さん、あなたはホタルイカ

目覚めると母さんはホタルイカになっていた。ぼくの部屋の床に、それはへばりついていた。朝のひかり、のなかでぬらぬらと発光するホタルイカは、生ぐさいくちびるをおもわせた。 ホタルイカになった母さんを、あるいは母さんだったホタルイカを手にとると、…

ペルシャ猫

電車に乗り合わせた人間はひとり残らず狂人であった。わたしは驚いて胎児をつり革に固定し、隣席の人間に譲り渡した。助け合いは大切である。感動した第一車両はゆるやかに横転しその中身を大地へ還す。美しい光景である。わたしは狂人たちと笑い合い、互い…

電子レンジ

家電屋に電子レンジを見に行った帰り、皇帝ペンギンに母親を殺された。ぼくは女児を凝視していたのでそれを知らず、女児の恋人になるのだった。 あくる日の朝、女児は右腕を残して消えていた。ぼくはそれに苺ジャムを塗って食べてから新しい母親を探すことに…